わくわくさんとゴロリの現在地!伝説の絆とYouTube再会秘話
わくわく さん ゴロリという名を聞くだけで、色画用紙の擦れる匂いやハサミの軽快な音が記憶の底から立ち上がってくる。1990年から23年もの間、NHK Eテレ(旧・教育テレビ)の画面を通じて全国の茶の間に手づくりの喜びを届けた二人。赤いキャップに黒縁メガネの工作名人、そして横で大きな体を揺らしながら器用に手先を動かすクマの男の子。彼らが繰り広げた掛け合いは、テレビの前の幼いクリエイターたちを無心にさせた。
放送終了から年月が経ち、メディアを取り巻く環境が激変した現代においても、わくわく さん ゴロリが遺した文化的遺産はまったく色あせていない。かつて段ボールとトイレットペーパーの芯を握りしめていた子どもたちは大人になり、いまや親として次の世代へその魅力を語り継いでいる。
『つくってあそぼ』が刻んだ足跡とテレビ放送業界の地殻変動
日本の子供向け教育番組の歴史において、『つくってあそぼ』の誕生はひとつの決定的な転換点だった。前身番組である『できるかな』のノッポさんとゴン太くんが築いた無言劇のパントマイムスタイルから一転、日本放送協会(NHK)とNHKエデュケーショナルは、言葉巧みな会話と工作の実況解説という新たな手法を導入した。
テレビ放送業界が徐々にデジタル化やCG演出へと舵を切るなか、番組が頑なに守り続けたのは「誰の家にもある身近な廃材で、実際に作って遊べる」という徹底したリアリズムだ。失敗もリテイクも包み隠さず、手元の試行錯誤をそのまま見せるスタイル。それは受動的に映像を眺めるだけだった子どもたちを、自発的な表現者へと変貌させる力を持っていた。
赤い丸メガネの主、久保田雅人が貫く「手づくりの哲学」
わくわくさんを演じた造形作家の久保田雅人は、もともと劇団で演技を磨いた役者だった。オーディションを経て役に抜擢された際、彼が課されたのは単に工作の手順を教えることではなく、子どもたちの目線に立って工作のプロセスをドラマ化することだったという。
不器用そうに見せながらも、裏ではミリ単位の精度で工作物を仕上げる卓越した技術。久保田はカメラが回っていない時間も、どうすれば子どもが安全にハサミを使えるか、どうすれば牛乳パックが最も遠くまで飛ぶかを研究し続けた。テレビの枠組みを超えた彼の情熱は、番組終了後も全国各地での工作ショーやワークショップという形で直接子どもたちへと届けられている。
盟友・中村秀利氏との別れを越えて受け継がれるゴロリの魂
ゴロリというキャラクターに命を吹き込んだのは、声優の中村秀利氏だ。少しおとぼけで、それでいてわくわくさんの無茶振りに見事に応えてみせるあの温かい声は、番組の絶対的な推進力だった。
2014年の中村氏の急逝は、ファンのみならず関係者全員に深い悲しみをもたらした。しかし、久保田雅人は語る。ゴロリは単なる共演者ではなく、自らの半身であり、ものづくりの相棒として生き続けていると。着ぐるみ操演と声の演技、そして工作技術が奇跡的な調和を果たしたゴロリの造形美は、いまも語り草となっている。
YouTubeでの電撃復活!画面の向こうへ届ける新たな工作の息吹
時代の波は彼らを再び最前線へと呼び戻した。久保田雅人が自身のYouTubeチャンネルを開設し、ネット空間へと活動の場を広げた瞬間、ネット上には歓喜の声が溢れかえった。テレビというマスメディアから、インタラクティブなWeb動画プラットフォームへ。
動画内では、往年と変わらないキレのある手さばきと、大人になった視聴者をも唸らせる高度な工作テクニックが惜しげもなく披露されている。人気YouTuberたちとのコラボレーションでは、幼少期に影響を受けたクリエイターたちが直立不動でレジェンドを迎える姿が印象的だった。プラットフォームが変わっても、ハサミ一本で驚きを生み出す根源的な面白さは何ひとつ変わっていない。
2026年最新動向:世代を超えて響き合う工作クリエイティビティの未来
2026年、伝説のコンビを巡る熱量はさらなる広がりを見せている。デジタルネイティブどころかAIネイティブとなった現代の子どもたちに向けて、久保田雅人は「手で触れることの尊さ」を説く新たなプロジェクトを本格化させている。
全国の商業施設やホールで開催される体験型ライブイベントは連日満員。往年の名作工作の現代版アレンジや、親子二世代で参加するワークショップなど、リアルな触覚体験を求めるファミリー層からの支持は絶大だ。さらにデジタルアーカイブの再評価や記念展示の計画など、彼らが築いた工作文化を後世に残すための取り組みが着実に進んでいる。
なぜ彼らは今も愛され続けるのか?教育とエンタメの幸福な結実
画面をタップすれば何でも手に入る時代だからこそ、ハサミの切れ味に注意を払い、セロハンテープの粘着力に一喜一憂するアナログな体験の価値が際立つ。わくわくさんとゴロリが教えてくれたのは、モノを作る技術だけではない。身の回りにあるゴミ箱行きの廃材に新しい命を吹き込む、想像力の魔法そのものだった。
道具を正しく使い、試行錯誤の末に自分だけの玩具を作り上げた瞬間の達成感。二人が画面越しに灯してくれたものづくりの情熱は、時を経ても消えることなく、これからも日本のクリエイティブな土壌を豊かに耕し続ける。 (出典: わくわく さん ゴロリ(Yahoo!ニュース))